【ゴルフやってないのに ゴルフ肘!?上腕骨内側上顆炎 ってどんな病気?】

2021年01月08日 | ブログ

症状:ものを握って持ち上げると肘に痛みが走ります

上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)では手首を手のひら側に曲げたり、物をもって肘を曲げる力をいれたりする際に肘の内側に鋭い痛みが走ります。
日常生活動作としては、例えばものを握って持ち上げる、タオルや雑巾を手のひら側に絞る、ロープを引っ張る、などの動きで痛みを感じます。
多くは動かしたときに痛みを感じますが、症状が強くなると安静時にも痛みを感じることがあります。
ゴルフのスイング動作で痛みを感じることがあることから、ゴルフ肘という別名で呼ばれることがありますが、実際にはスポーツ以外に、職業上での動作、日常生活動作などが原因となる場合の方が多いようです。

筋肉が炎症!?原因となるのはこの筋肉です。

肘の内側の硬い骨の部分を「内側上顆」と呼びます。
この内側上顆に付着している、手首を曲げる筋肉が原因となって起こります。

これらの筋肉とは

  1. 橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)
  2. 尺側手根屈筋(しゃくそくしゅこんくっきん)
  3. 長掌筋(ちょうしょうきん)
  4. 円回内筋(えんかいないきん) などです。

一般にはこれら①~④のの筋肉の付け根、“腱”という場所が肘の内側で炎症をおこして痛みが起こります。
くり返し手首を曲げたり、指を握ったりする動作を繰り返すことで炎症が起こります。

具体的には

  1. スポーツなどでの繰り返しの刺激:ゴルフのスウィングやテニスのフォアハンドなど
  2. 職業上での繰り返し動作:肉体労働で重いものをもって運ぶ、物を引っ張る作業をする など
  3. 加齢に伴う筋肉の質の低下:年齢とともに筋肉の柔軟性が失われ、繰り返しの刺激に弱くなっていくと考えられます。

などがあげられます。

これで判定します!見分けるのに有効な検査方法は?

圧痛(押さえると痛みを感じる場所):肘を伸ばし、内側の硬い骨(内側上顆)付近を抑えると痛みを感じます。
手関節屈曲テスト:手首を曲げる力を入れると肘の内側に痛みが走ります。
レントゲンでは 上腕骨の内側に #骨棘(こつきょく)という、腱に引っ張られて生じる骨の棘のような変化がみられることが多いです。

サポーターが有効!?有効な予防方法とは?

炎症をおこさないように普段から筋肉に緊張をのこさないような工夫が必要です。

  1. 運動や作業のあと、手首や指をしっかりストレッチして疲れを残さないようにします。
  2. アイシング:ストレッチをした後には、痛みのでやすい肘の内側を氷嚢などでしっかり冷やします。
    ※外用剤は炎症をとる作用はありますが、冷やす効果はあまりありません
  3. 肘用のバンド(エルボーバンド)やテーピングで負担を軽減します
    肘の内側にパッドがあたるように。力をいれた際に軽く圧迫される程度に固定します。運動や作業時の肘の負担を減らすことができます。


このような治療法で症状を緩和します。

  1. 手首や指のストレッチを毎日して筋肉に疲れを残さないように注意しましょう。ストレッチは保存的治療(手術をしない治療)の中心となるものです。毎日こまめに行いましょう。
  2. スポーツや作業で握るようななるべく避けるようにします。作業後には肘の内側に外用剤を使用します。
  3. 肘用のバンド(エルボーバンド)やテーピングで筋肉の動きをブロックし、負担を軽減します

当院ではまず生活指導やリハビリを中心とした治療で症状の緩和を図ります。